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【セレクトセール2011】2日目の結果

社団法人日本競走馬協会が主催する「JRHAセレクトセール2011」は12日、苫小牧市のノーザンホースパークにて当歳セッションが開催された。

 昨日の1歳セッションでは、エアグルーヴの2010(牝、父ディープインパクト)が活発な市場の発火点となり、そこにマイケイティーズの2010(牡、父キングカメハメハ)が更に沸点を引き上げたような印象があったが、この日は最初の上場馬であるリアリーハッピーの2011(牡、父ハーツクライ)が4000万円、続くチケットトゥダンスの2011(牡、父ゼンノロブロイ)が3300万円と、昨日の勢いそのままに活発な取引が続いていく。

 その後も続々と落札馬が誕生していく中、この日、会場にいた誰もがその存在を気にしていた当歳馬が鑑定台に姿を見せる。ウインドインハーヘアの2011(牡、父ネオユニヴァース)は、兄に日本競馬史上最強馬とも謳われたディープインパクトを持つ、この当歳セッション一の注目馬。朝の展示から母と当歳馬の周りにはバイヤーと調教師だけでなく、カメラを構えたマスコミも集まり、日本競馬の至宝とも言えるその親子の姿を記録し続けていた。

 7000万円から始まったセリは、すぐに1億を超え、1億5000万円、2億と上限知らずといった感じで競り上がっていく。鑑定人が2億5000万円を口にした後、しばらく静寂が起こり、そしてハンマーの音が会場の緊張感を一気に解きほぐした。この大商いの主役となったのは、昨日、エアグルーヴの2010を競り落としたグローブエクワインマネージメント(有)。多田信尊マネージャーは「素晴らしく柔らかい動きをしており、また、顔も一流馬らしい素晴らしい表情をしています。ここまで来ると我々の馬ではなく、ファンの馬と言える存在でしょうし、将来的には兄と肩を並べるような競走馬になってもらいたいですね」と話していた。

 続いて1億の表示が電光掲示板に表示されたのは、カチバの2011(牡、父ダイワメジャー)。この日の展示だけでなく、下見の段階から高い外見的評価を誇っていた馬であり、それは会場の至る所からスポッターの声が聞こえていたことからも証明されている。

 このグッドルッキングホースを競り落としたのは、昨日、マイケイティーズの2010を競り落とした島川隆哉氏。「父であるダイワメジャーの産駒は2歳から活躍を見せていますし、下見の段階からこの馬が最も評価が高くなるだろうと思っていました」と狙っていた馬を競り落とせたことに笑顔を見せていた。

 島川氏はこの後もミュージカルウェイの2011(牡、父ディープインパクト)を9400万円で落札。この2頭に加えてこの日は8頭の当歳馬を落札と、セリの盛り上げに一役も二役も買っていた。

 また、宝塚記念を優勝し、凱旋門賞でも2着となったナカヤマフェスタ(牡5)の半弟となるディアウインクの2011(牡、父ディープスカイ)を落札した里見治氏は、この当歳セッションで2番目の高額取引馬となるマジックストームの2011(牡、父ディープインパクト)を1億3000万円で落札。ディープインパクト産駒はパーソナルレジェンドの2011(牡)が8200万円で太田美實氏が、データの2011(牡)を6400万円で野田みづき氏が、レンドフェリーチェの2011(牡)を6200万円で(株)ダノックスが落札するなど、昨日に引き続き高い人気を誇っていた。

 当歳セッションでは220頭中161頭が取引され、売却率は昨年を上回る73.2%を記録。3年ぶりに70%台を上回った。売上総額は44億4720万円となり、セレクトセール2日間の合計は91億7320万円と、08年以来90億円の大台に届いた。

 日本競走馬協会副会長で、社台ファーム代表の吉田照哉氏は、
「新規のバイヤーの登録数の増加や、下見に来られる人の数の多さなど、セリに対する期待感は感じていましたが、ここまでの結果を残せるとは思っていませんでした。上場者側もリーディングサイヤーの血統や重賞勝ち馬の産駒や兄弟など、上場者側が血統、馬体ともに吟味した馬を連れてきてくれたことや、この日の当歳セリでいうと、今後の成長を楽しみにしている期待感が活発な取引につながった印象を受けます。震災の影響などもあり、競馬の売り上げは落ちていますが、この結果は今後の競馬界に繋がる結果となったと思います」
と今年のセレクトセールを振り返っていた。(取引価格は全て税抜き)


2011年7月12日20時0分
(JRA-VAN)


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