今回が通算5回目の凱旋門賞参戦となる武豊騎手。春シーズンは落馬負傷によって戦線離脱を余儀なくされ、怪我から復帰後最初のG1レースが世界一決定戦の凱旋門賞となる訳だが、その胸中を語ってくれた。
「春は個人的に本当に悔しい思いをしていました。その中、ダービー直後にヴィクトワールピサが凱旋門賞へ挑戦するという話を聞き、さらにボクに騎乗依頼が来たのですが、休んでいて本当に励みになりました。それで人馬共に無事に凱旋門賞へたどり着けたことはとても嬉しいですね。凱旋門賞は世界最高峰のレースだと思っているので、やはりそこを勝つことはジョッキーとしての一つの目標でもあります。今回は15歳から一緒に競馬の世界に入った蛯名騎手と一緒に凱旋門賞へ挑戦ですが、やっぱり感慨深いものがありますよ。彼も出世したものですね(冗談めかして)。2人で良いレースが見せられればと思っています。そう言えばヴィクトワールピサはあまり人気がないみたいですね。馬の状態も良く、最終追い切りでもシッカリと走ってくれているので、チャンスは十分にあると思いますよ。色々な面で前回よりもプラス要素は多いですしね。もちろん、甘くないレースであるのは当たり前ですが、全力を出せる状態ではあります。春の分も、秋は本当に良い思いをしたいですね」とコメント。
決して順調ではなかった落馬負傷からのカムバック。様々な試練を乗り越えてたどり着いた世界の大舞台。今回は一層、特別な思いで凱旋門賞に臨む武豊騎手が日本のファンに吉報を届けてくれることを期待したい。
(photo by Kazuhiro Kuramoto)
2010年9月30日21時45分
(JRA-VAN)