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[BCクラシック]合田直弘氏によるレース展望2(レース展望)

カジノドライヴ

春の3歳2冠馬ビッグブラウンが故障発生で離脱。この馬がいれば、前半のぺースを作るのはこの馬だったのだが、不在となると、有力馬に何が何でも先手をとらねばという馬はいない。ハナを切るのは、6月にハリウッドパークの全天候馬場を舞台としたG1ハリウッドGCを逃げ切ったマストトラック(牡4歳)か。これに続くのが、ウェルアームド。好位で競馬を進めるのがカーネルジョン、デュークオヴマーマレイドらで、カーリンはその後ろ辺りか。
カジノドライヴは、これまでの少ない実戦経験から推し測ると、決してエンジンのかかりが早い馬ではなさそうで、前半は中団以降で競馬を進めることになりそうだ。おそらく前半は淡々とした流れになろうが、このメンバー構成ではいずれにしても、有力各馬は3コーナー手前から勝負に出るはずで、カーリンをはじめとした当面の敵が動き出す刹那に、機を逸することなく流れに乗って進出していくことが、勝利を手にする上での最初のポイントとなるはずだ。最大の敵は言うまでもなくカーリンだが、そのカーリンの近走を見ていると、レース振りにズブさが出ているように思われる。ダートよりは路面の軽い全天候馬場でスピード優先の流れになった時、現在のカーリンがこれに瞬時に対応できるかどうか、私は若干の不安があると見ている。勝負どころでカーリンがもたつくようなら、カジノドライヴの勝機到来である。
日本から遠征した馬がBCクラシックを勝てば、それだけで事件だが、キャリアが3戦しかない馬が優勝するとなると、これはもう「馬は実戦で鍛えるもの」というアメリカ競馬の定説を根底から覆す、歴史的出来事となる。更に、兄ジャジル、姉ラグストゥリッチーズに次ぐG1制覇となれば、カジノドライヴには種牡馬として、途方もない価値がつくことになるはずだ。そんな結末を期待しつつ、世紀の大一番を見守りたいと思う。

2008年10月23日15時0分
(JRA-VAN)


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